2021年11月24日

【レポート】多世代まちづくりプロジェクトコンペティション2021

多世代まちづくり2021

2021年11月20日、「多世代まちづくりプロジェクトコンペティション2021」がオンラインにて開催されました。
若者の柔軟なアイデアや行動力と、地域のまちづくり活動を実践する人たちが出会うことで、全国のまちづくりが加速することをめざし、今年で4回目の開催となります。
当日は、高校生から大学院生まで、地域と連携した企画が全国から発表されました。一部抜粋してレポートします。

学生によるプレゼンテーション!


「若い世代に伝える『オレンジ教室』」城北高等学校医療福祉科
高校生と認知症当事者の対談をきっかけに、”直接話をきく”大切さを実感し、小中高校生に向けた講演会「オレンジ教室」を企画。学生が運営する形で開催できるように準備を進めています。講演会実施後は記録動画を家庭でも見てもらい、認知症の人が地域でも身近な存在として認識してもらえるように、恒例行事として継続できる多世代まちづくりチームの作成も検討中です。


「認知症×医療学生/地域わっこプロジェクト」北海道大学大学院保健科学院健康科学専攻修士課程
学生と高齢者、地域に住む人の点と点がつながる多世代交流をめざすプロジェクト。医療系学生が、医療知識をいかして地域住民の健康維持に貢献できるように、高齢者宅での買い物や外出支援、情報端末操作サポート、健康相談など学生の強みをいかしたサービスを計画しています。


「認知症カフェからやさしいまちづくりへ」畿央大学健康科学部看護医療学科
コロナ禍でも学生が活動できるように、座学では学べない直接的な関わりを学べる機会を作るため、地域の人が出会える場、ピアサポート、地域を少しずつ変えていける場をテーマに、認知症カフェの開設を準備中。対面とオンライン併用のハイブリット型、地域に出ていくアウトリーチ型など積極的な働きかけをめざしています。


「人と人を繋ぐ『musbun』カフェ」日本福祉大学社会福祉学部社会福祉学科行政専修
介護人材不足の改善をめざして、福祉体験を希望する学生と学生とつながりたい福祉施設のマッチングをめざすアプリと認知症カフェの実施。学生、地域店舗、福祉事業所が連携する体制により、地域のなかで安心した交流がうまれ、学生が福祉業界をめざすきっかけになってほしいと願っています。

■ 多世代まちづくりコンペティション2021 結果発表!!

◎優秀賞:若い世代に伝える「オレンジ教室」
審査員より「教育の中で当事者の方の生の声を伝えることは重要です。世代をつないでいこうという活動体制がすばらしいと思います」
学生コメント「むちゃくちゃ、驚いています。高校生らしく地域を活性化できたらなと思っています。ありがとうございます!」

◎フレンドシップクラブ賞:人と人を繋ぐ「musbun」カフェ
審査員より「人材不足解消という着眼点がすばらしいです。全国でも使えるようになると嬉しいです。施設では行事などに学生がいるとありがたい時があるので、多方面に活用できるのではないかと思いました」
学生コメント「昨年もコンペに参加したものの悔しい結果でした。この一年、新しいメンバーと活動して今回、受賞できたことは嬉しいです。これから社会貢献ができるように改めてスタートラインだと思っています」

◎参加者賞:認知症カフェからやさしいまちづくりへ
審査員より「サークルメンバーが多いので持続可能性として期待しています。認知症本人交流会とコラボして奈良県全体で出前カフェを一緒に協力していきましょう」
学生コメント「みなさんに投票いただき嬉しいです。コロナ禍で難しいですが、よりよい形にかえてたくさんの人に参加してもらえるように頑張りたいです」

◎浅井ゲルマニウム賞:認知症×医療学生/地域わっこプロジェクト
審査員より「企画の完成度が高いゆえに、既存サービスとの差別化が難しいとは思いますが、人を集めることへのリソースを費やすことなど、サポートをしていきたいです」
学生コメント「今回のコンペでは、高校生から大学院生まで、どのチームもすごい発表で自分も刺激をもらいました。これから頑張っていきますので応援よろしくお願いします!」

今回は、昨年度受賞プロジェクトから受賞後の活動報告がありました!
1. 高校生グループホームインターン(CAN-PASS × DFCネットワーク帯広)
コロナ禍でグループホームインターンは難しくなったが、課題解決型人材育成プログラムを実施できた。学生が認知症について知る機会を作ることで、介護の現状や将来の仕事、生き方について考える機会がうまれ、高校生たちの意識改革につながった。コロナが落ち着いてから、インターンも実施したい。
  
2. 『旅のことば』で小中高大当事者をつなぐ(熊本県立第二高等学校家庭クラブ × DFCネットワーク山鹿)
同時にコンペに参加した熊本大学看護学生と一緒に活動するようにと受賞した。熊本オレンジ学園をつくることを目的に、大学生と高校生がコラボ中。毎月、ミニ勉強会をオンラインで行い、旅のことばのワークショップを学生が講師として実施。今後、高校や包括と連携して、地元小学校でワークショップやフォーラムなどができないか調整中。

★ 参加者の声 ★
・高校生から大学院生の発表、素晴らしかったです。日本の未来も楽しみですね。
・全ての発表が素晴らしくすべてのグループが賞に値するものだった。
・画期的なプロジェクトであっても、いかに持続させられるかを考えることがまちづくりにとっては大事な視点であると感じた。
・DFCの方々が皆さん優しく温かかったことが印象深いです。発表に対してはたくさん質疑があり、応答も皆さんしっかり堂々とされていて素晴らしかったです。

【 大会主催者より 】
毎年、驚かされるようなプレゼンテーションばかりです。学生さん同士がつながれないかなと思いました。まちづくり甲子園的に学生自身がつながると、日本がまちづくり一色になります。福祉は教育です。若い内からの教育がこれからの日本のまちづくりを支えていくと思います。本日は、みなさんありがとうございました!

同時開催された、「認知症まちづくり基金2021中間活動報告会開催レポート」はこちらをご覧ください。