2018年07月30日
認知症まちづくりファシリテーター 修了生インタビュー No.1
第一回認知症まちづくりファシリテーター講座を受講し、その後、恵那市で認知症まちづくりファシリテーターとして活躍する足立さんにお話を聞きました。
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第一回 認知症まちづくりファシリテーター講座修了生
岐阜県恵那市 足立さん
—−認知症まちづくりファシリテーター講座を受講した理由は何ですか?
認知症関係のイベントは行なわれていて学ぶ機会はありましたが、聞くことが基本の、受け身の形でした。自分達のまちには素晴らしいマインドを持っている人がたくさんいて、その人達の能力を開花させて地域を変えていきたいと考えていたので、自分達の力で地域の課題を解決できる技術を学びたいという欲求が高まって講座に参加しました。
—−受講前の地域や、ご自身の活動はどのような状態でしたか?
認知症にやさしいまちづくりの活動は、多職種連携(公立病院での医療・福祉関係職)会議がありました。ただ正直、マンネリ化した会議で、連携するイベントもあったものの、専門職の集まりでした。認知症の人の暮らしを意識して、それが改善されるようなものではなかったと思います。
—−受講の必須条件である3名1チームはどのようにして作りましたか?
行政の立場である自分と、職場は異なるものの顔を合わせる機会が多い社会福祉士の2人でチームを作りました。気軽に相談しあえる人、まちづくりに対して熱い人に声をかけた感じです。
—−受講後、取り組みはどのように変わりましたか?
受講した3人が同じ「ワクワク感」を持ち帰れたこと、共通の目標ができたことが、その後の活動を大きく変えるきっかけになったと思います。講座の内容を、自分達の地域でどのように活かせるのか、どのようにまちの人達に働きかけていくのか、受講後、何度も地元のファミレスに3人で集まって深夜まで話し合いました。
まずは、意見交換が少なかった多職種連携会議で、私たちがファシリテーターをやらせてもらって、未来についてのブレストをしたんです。すると、参加者の目が輝いてきて、とても盛り上がりました。課題をジブンゴトとして話すことの重要性を認識できたと思います。
その手応えから、この講座の技術をもっと地域の人に学んで欲しいと思い、一緒に活動している地元のメンバーに声をかけて、第二回の講座に新たに3人が参加しました。地域づくりのメンバーの熱が広がりパワーアップしています。
—−まちづくりの取り組みによって、認知症当事者に変化はありましたか?
ファシリテーションの技術は、いろいろな所で発揮できています。職場の会議や、イベントの企画会議では、対話の時間を作ること、特に「ワクワク感」を意識しています。
例えばイベントの企画会議の場合、参加しやすい雰囲気を作る、話しやすい場にするなど、講座で学んだ内容を実践したところ、認知症本人の参加が増え、みんなが自分の想いを表出する機会が増えました。
認知症の人と地域の人が出会うタスキリレーイベント「えなRUN伴+(Plus)」後のフォーラムでは、参加したある夫婦の夫から、「(認知症の)妻の手料理を食べたい」という言葉が出ました。そこに同席していたケアマネージャーが夫婦の想いを理解し、支援に反映させ、手料理が復活したというケースもあります。
「参加することが楽しい」と思ってもらえる場づくりをすると、そこから人間関係が形成されていき、心にしまっていた想いを語り始めます。地域の人が自信を取り戻す機会に立ち会えるようになったのではないかと感じています。
—−当事者や支援者の変化以外、地域の変化で感じることはありますか?
対話の機会を意識的に増やしてきたことで、認知症の人の暮らしを形づくる様々な立場の人達とのつながりが深まってきています。
お寺で認知症カフェを開催したのですが、これは「住民に開かれた場所」について住職と対話を重ねた結果です。また、ある市民から、大好きな花に興味がなくなった認知症の母親についての相談が入ったところ、葬儀業者がフラワーアレンジメント教室を提案してくれたこともありました。
大切なことは、地域の多様な仲間づくりと平行して、「あの人を応援したい」という一人ひとりを思い浮かべられることではないでしょうか。その想いと、さらにみんなで共有できる「ワクワク感」が重なることで、地域が大きく動くのだと思います。
9月開催:認知症まちづくりファシリテーター講座・参加チーム募集中!
http://dfc.or.jp/news/4601
※画像はファシリテーター講座の恵那チーム