2017年03月07日
レポート:認知症地域ネットワークフォーラム中国ブロック in 福山市
【レポート:認知症地域ネットワークフォーラムin福山】
2月26日に広島県福山市で開催された認知症地域ネットワークフォーラムのレポートをお伝えします。
フォーラムは2部構成で、認知症の人を社会全体で支えるきっかけをつくろうという想いのもと「認知症になっても安心してくらせるまちは誰がつくるのか」をテーマに開催されました。
広島県福山市を中心に多くの地域の方が参加され、およそ120名が参加しました。
フォーラムは、『ボケてたまるか!』の著書である山本朋史さんのお話から始まりました。
定年退職後、仕事を続けていた山本さんが1年を経過した頃から次第に「物忘れ」がひどくなり、「軽度認知障害(MCI)」と診断されるまでのお話がありました。放置していれば、4、5年で半数の人が認知症へ進行するといわれている「軽度認知障害(MCI)」。認知症予防のために仕事をしながら1週間に1度往復3時間はかかる距離にあるデイケアに通い、認知症予防の取り組みをされている様子をお聞きすることができました。山本さんのお話を聞き、「軽度認知障害(MCI)」のことを初めて耳にした参加者も多く、早期発見し適切な治療や予防をすることで回復したり、発症が遅延したりすることがあることを伝えられました。
シンポジウム「認知症と共に歩むまちづくり」では、東京都町田市の松本礼子さんと本人会議(認知症当事者が主体的に運営する会)の生川幹雄さん、鈴木克彦さん、宮田雄二さんをお呼びし、広島からは竹内裕さんに加わっていただき、「あれ・・・変だな」と思った瞬間の時のことから現在のそれぞれの思いをお話していただきました。
その中で、特に印象的だったのは、生川さんと鈴木さんの出会いのエピソードからの言葉でした。「自分が認知症だということを話せなかったのに、自分の抱えている問題を分かってくれる人がいる」「仲間がいるんだ」
お二人の会話を聞き、「話をしてほしい」という依頼があり、徐々に話をする機会が増えていった「本人が語る認知症講座」は、現在、町田市のあちこちに広がり複数の「本人の会」があるそうです。
「広島よりも他地域の方が有名だ」という広島の竹内さんに、松本さんから会場の参加者に「認知症の人と共にこのまちをつくっていく。竹内さんとともにこのまちの認知症のことを考えていくということをしていきませんか?」という声かけがあり、会場からは拍手がわき起こりました。
シンポジウムの後は、参加者と認知症当事者が一緒になってグループワークをし、それぞれが感じたことや意見を共有しました。
フォーラム中は、笑いがあり、涙があり、そして、ペンを走らせる人や大きくうなずいて聞き入る人。
ご本人の声がどんどん広がり、認知症の人のことをジブンゴトとして捉え、共に認知症のことを考えていこう。そんなフォーラムでした。