2016年02月20日

北海道フォーラム レポート

【北海道フォーラム・レポート】

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「そうやって声をかけてくれると、助かります。ありがとう。」
全国から注目を集めている大牟田市の「認知症SOSネットワーク模擬訓練」では、困った様子でまちを歩く当事者役の人に声をかけると、実際の当事者の方が現れて、お礼を言うことになっている。大牟田では現在、全小学校区単位で模擬訓練を実施。最近では子どもが積極的に声をかけるという場面も見られる・・・
地域に住む「この人」と実際に言葉を交わすことによる実感が伴っているからでしょうか、訓練が一過性のイベントで終わらず、実際のSOSのときに地域の方による発見が増え、さらには未然の声かけでSOSに至らない、といった効果もあらわれているとのこと。さらに、認知症SOSだけにとどまらず、地域の治安全般がよくなっている、と地元警察からも感謝されているそうです。
今回のフォーラムでは、RUN伴2015でゴール地となった福岡県大牟田市から池田さん(大牟田市役所保健福祉部調整監)を招来。会場には、先進地の取り組みから学ぼうと、十勝地域で活動している方々を中心に約90名が集まり、熱気に包まれました。上記は池田さんが紹介された大牟田の取り組みの一例です。
大牟田市では、介護保険制度の導入後、10年以上をかけて、介護サービスの質の向上とともに地域で支えあう環境づくりを進めており、中でも上記の模擬訓練の取り組みには、全国から視察が訪れるなど、注目を浴びています。
池田さんたちは、「捜索ボランティア」のLINEグループをつくり、機動的に捜索を行うといった取り組みも行っているそうです。市の職員も個人として参加し、140名を超えるグループになっているということで、できることは何でもやる、大牟田の挑戦は続いています。
池田さんのお話を聞いた後は、「ケア・カフェ」方式で、参加者が5名ほどのグループに分かれて、大牟田の事例をヒントに、自分たちができることは何かを語り合いました。
あるグループでは、地域密着型特養で施設の一角を地域の方に開放しているという帯広市内の男性の話から、それなら「こども食堂」として定期的に使ってもらえば、こどもが気軽に立ち寄ることができ、普段は忙しいその保護者も巻き込めて、そこに施設のお年寄りが加わって世代間交流ができるのでは?といったアイディアが出されていました。大牟田の事例でも登場した「こども」というキーワードからの発想でした。
十勝地域の取り組みもこれからさらに飛躍していきそうな予感を感じ、冬の北海道とは思えないあたたかさの帯広をあとにしました。