2017年04月12日

レポート:認知症地域ネットワークフォーラム九州ブロック in 熊本

 

 

 

 

【レポート:認知症地域ネットワークフォーラムin熊本】

2017年3月25日、九州・熊本県で開催された認知症ネットワークフォーラムのレポートをお伝えします。

昨年RUN伴に関わった九州全域の方と調査・研究者、大学関係者数名のおよそ40名が参加しました。

2016年4月14日21時26分、そして4月16日未明の2度に渡り、熊本市や益城町など周辺地域で、気象庁震度階級が制定されてから初めて、震度7が2回観測された地震が発生した熊本で、「RUN伴からのまちづくりへ 誰もが住みたいまちにするために」をテーマに、それぞれが起こしていけるアクションについて、話し合いました。

フォーラムは、2015年RUN伴に参加された渡部和子さんが、2016年の開催を楽しみにしながら、旅立たれるまでの様子を娘の首藤眞木さんのお話から始まりました。
最初に10年くらい前、一人暮らしをし、しっかりしていたお母様が「おやっ」と思うようなことがあったり、見えないものが見えたり、忘れっぽくなっていき、身近な人に相談できず、葛藤と戸惑い、心配や不安な毎日を送っていた日々。そして、初めて人に話をして、ホッとしたことや診断を受けてショックを受けたことなど、認知症に対してあまりいいイメージを持っていなかった状態から「認知症になっても、それなりにできることがあって、楽しんだりできる」と思うようになるまでの心情をお聴きしました。
そして、デイサービスからRUN伴の紹介をされ、パンフレットに載っているたくさんの笑顔を見て「楽しそうだ」と感じて、お母様に「選手に選ばれた」と特別なことのように伝えたという首藤さん。

参加することが決まってから「RUN伴」というキーワードを通して、お母様との関わり方が変わり、当日に向けてパーマをかけ、洋服を購入して準備するという、まさにご本人もご家族も目標ができたと振り返られました。
当日のお天気は優れませんでしたが、外に出て、沿道の知らない人からも温かい応援の声をかけてくれる中、自ら車いすから立ち、力強く歩き出したといいます。その時の様子を「自分は一人ではない」ということがエネルギーになり、励ましになった。そして、RUN伴は、「みんなの刺激になり、元気になる活動です」と。
参加後は、家族で「楽しかった」「良かったね」と会話もでき、2016年の参加を楽しみにして、最後まで日々の暮らしが豊かに過ごせたとお母様と一緒にRUN伴に参加したこと思い出をお話していただきました。

首藤さんのお話の後は、参加者全員で「RUN伴をきっかけに、どうする、わがまちアクション」というテーマで、グループワークを行いました。
それぞれの地域の活動を共有しながら、様々な人を巻き込んでいくためには、どのようにすればいいのか。自分たちに何ができるのか。継続していくためには、どうすればいいのか。等多岐にわたって意見交換がされました。

RUN伴がもっともっと広がり、認知症になっても特別なことではない。という「ジブンゴト」の理解が深まり、「自分は一人ではない」と思える環境があれば、本人も家族も安心して暮らしていくことができる。首藤さんの言葉から、それぞれの地域でどんなまちづくりが展開されていくのか楽しみです。