2016年02月15日

関東フォーラム レポート

【関東フォーラム・レポート】

地域ネットワークフォーラムin関東、今年は東京都町田市で行ないました。雪が心配される天候のなかでしたが、一時立ち見が出る程の満席となり、皆さんの熱気に会場は盛り上りました。

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まずは、RUN伴2015の報告。歯科医師の小澤さんから、これまで関わりの少なかった人ともRUN伴によって地元の人とつながることができ、その後も一緒に地域活動を継続することができていると、写真たっぷりに発表されました。

また、茨城の実行委員である黒木さんからは、勤務先の施設でRUN伴Tシャツをユニフォーム的に着る日を設けることで、認知症の啓蒙や、意識の浸透として用いている工夫を語られました。そして、豪雨被害によりRUN伴を中止した上で被災地支援の活動にまわった経験から、思いがけない事柄を仲間と乗り切れたことでの気づきを伝えてもらいました。

その後、基調講演をしたのは、富士宮市の佐野さんご夫婦と富士宮市役所の稲垣さんです。
認知症とともに生きる佐野さんから、診断を受けたときの心境や、現在の暮らし、今一番楽しいことなどを、ご本人の言葉で聞くことができました。
「自分らしく、オレはオレだから」と語る佐野さんと稲垣さんとの楽しい掛け合いの中、認知症診断後に覚えたというギターで、『富士の山』を演奏する場面では、会場も一緒に合唱し大きな拍手が沸き上がりました。
また、奥様からは、勇気を出して地域の人に公表するとこで、地元に仲間ができたこと、応援して一緒に動いてくれる人が増えたこと。認知症になっても自分らしく暮らせるようにするためには、周囲に正しい理解をしてもらうことが一番だったと話されました。その上で、医師から前向きな言葉をかけられたことや、前を向いて暮らしている当事者の方との出会いが参考になったこと、希望をもてる内容の書籍との出合いが、次の行動に踏み出すきっかけを作ってくれたと、これまでの歩みを具体的に教えてくださいました。
長年、佐野さんご夫婦と思いと行動を一つにされている稲垣さんからは、認知症を正しく理解して、本人らしく暮らし続けられる地域をつくりたい。正しい理解とは、気心知れた人が近所に増えていき分け隔てなく交流ができること。そして、日々変化し続ける認知症の人の暮らしから、まちが学び、地域が一緒に動けるかどうかが大切だと結びました。

第三部のワークショップでは、テーブルごとに感想や思いを語り合いました。
今回は、認知症のご本人が各テーブルにさりげなくおられたので、参加者はとても大きな学びがあったようです。

感想として上がったいくつかの意見
・当事者の方と直接話すことができ、「認知症になってもなるようになる」と語っていた。自分もそう思えば明るく生きていける
・イベントやRUN伴などを通して認知症の人の気持ちを知っていきたい
・佐野さん夫婦の話から、サービスや立場ではなく近所の人間として、柔軟な考えで出来る事があることに気づいた
・なぜ認知症であることを自然にオープンに出来ない社会なのか、そこが問題

最後に、「町田市認知症とともに歩む人 本人会議」の生川さんより、締めの言葉として、「私も認知症の当事者です。情報交換、横のつながりが広がっていることを実感しました。今後の参考にしていきたいです」と力強い挨拶のもと、本人会議でも毎回行なうという、一本締めで終了しました。
寒い中駆けつけてくださった皆さんが、とても高揚した表情で、軽やかに帰っていかれる姿が印象に残る、町田の認知症地域ネットワークフォーラムでした!